The double

cotteの脳内日記

目的

日曜日

息子が英検をすっぽかした

 

疑ってはいけないのだろうが

「受けに行かないかもしれないな」

という予感はあった

 

外出先から帰ってくると

まだベッドで寝ていた

いや

ベッドの中に横たわっていた

というほうが正しいか

 

あえて声は掛けなかった

 

私の携帯をみると

先生からなんどもメールが入っていた

 

先生の熱意に押され

なんとなく

受けます

と返事をしてしまったように感じていた

 

なんの目的で受けるのか

彼には定かではない

 

高校受験に有利

 

それでは彼の心は動かないのだろう

 

 

想像するだけ

体感していないものに

なかなか彼は動かない

 

受かるための勉強は

目的ではない

受かること それ自体も

目的ではない

 

たいてい

先がわからない不安があるから

とりあえず

人は動く 頑張る

 

けれど彼の14年間は

不安というものには

無縁の人生だ

 

いつも成功しているわけではない

人から見たら

失敗のほうが多い

 

ただそれを彼は失敗とも思っていない

ただそこに結果があるのみ

 

失敗を繰り返しても

それは不安に直結しない

 

成功を繰り返しても

不安が拭えない人がいるように

 

その逆の人も

珍しいかもしれないが

いるんだなと見ていて思う

 

14年不安と無縁の人生の彼だから

不満とも無縁の人生

今のところ

ご機嫌な人生

 

嫌いな人も

苦手な人も

敵と思う人もいない

世の中に生きている

 

この先彼が

どんな目的を見つけるのか

わたしには見当もつかぬが

 

不安に掻き立てられ

努力することを拒み続けている彼が

 

目的に掻き立てられ

努力すると決めたとき

 

もう誰にも止められないほどの

肯定感と

幸福感の中で

突き進むのだろう

 

彼が事を起こすたびに

わたしは世間の目というものを

捨てる作業を行う

 

わたしが彼と出会った

大きな目的はこれなのだろう

 

わたしの目的が果たされるのが先か

彼が自立するのが先か

 

にやにやしながら生きていくしかない