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The double

cotteの脳内日記

君はどうか

哲学者・鶴見俊輔×小説家・重松清

「ぼくは こう生きている 君はどうか」読了

 

2010年に刊行

2015年 鶴見俊輔死去(93)

2016年 文庫化

 

私が鶴見俊輔氏に興味をもち、なにか読んでみたいと思ったとき

残念ながらすでに氏はこの世にはいなかった

 

なんの知識もなかったが、重松さんとの対談ということで

導入にはよそうな予感がして、手にとってみた

 

鶴見氏は恵まれた生い立ちや環境に

反発、反骨精神剥き出しの子供時代を送っている

中学時代には自死未遂にも及んでいる

略歴だけ見るとハーバード大学卒業なんて書いてあるので

品行方正で順風満帆な人生を歩んだ印象だったので驚いた

 

語る言葉は哲学者に似合わず(?)日常的に使われる言葉を意識的に使っている

そして経験の中からの言葉なので、するすると読み進められる

 

長い人生の中で、最終的に自分の境遇や環境を肯定して感謝していることが

とても印象に残った

結局はそれこそが自分を作ったのだと語っている

 

さらに、その感謝していることは、

家族には伝わっていなかったようなエピソードが出てくる

それでも、鶴見氏は一番の親孝行は

「死に損なったこと。生き抜いていること。これにつきますね」と言っている

 

感謝とは、感謝を表すということは

相手の意のままに行動することではない

相手の期待する人間になることではない

生き抜くこと これ以外ないのかもしれない

 

思いは時には伝わることもあろう

けれど必ずしもではない

思いは伝わらなくてもいい

 

対談の内容自体はは多岐にわたり、さらに100年以上の時を遡った話にもなる

ただ私がこの本を通して、感じたこと、学んだ一番のことは

 

「思いは伝わらなくてもいい」だ